NTTデータ、全開発工程に生成AIを導入　システム開発の効率化を実現

NTTデータグループは、2025年度から企業向けシステムの開発工程全般に生成AIを活用する計画を発表した。
この取り組みは、IT人材不足やシステムの老朽化が懸念される「2025年の崖」に対応するもので、作業時間を約20%削減できる見込みだ。生成AIの導入により、システム開発の効率化とコスト削減を図り、競争力を強化する狙いがある。

NTTデータ、2025年度から生成AIを全開発工程に導入

NTTデータグループは、2025年度から企業向けシステムの開発工程全般に生成AI（人工知能）を活用することを発表した。この計画は、IT人材の不足や既存システムの老朽化が進む中で、経済産業省が警告する「2025年の崖」に対応するための重要な施策である。

具体的には、要件定義から設計、製造、テストに至るまでの各工程に生成AIを導入し、作業時間を現状に比べて約20%削減することを目指している。

この取り組みは、システム開発の効率化を図るだけでなく、コスト削減にも寄与する。従来の開発方式では、多くの人手を集め、時間をかけることで収益を上げる傾向があったが、生成AIの導入により、より迅速かつ効率的な開発が可能になると期待されている。

NTTデータは、生成AIを活用することで、顧客に対してより高い価値を提供し、競争力を強化する狙いがある。

人手不足の切り札　AIで働き方改革

NTTデータは、約20万人の社員に対して生成AIの基礎トレーニングを実施し、2026年度までに30,000人以上の専門家を育成する計画も立てている。この人材育成は、生成AI技術を効果的に活用できる人材を育成し、顧客に対してより高い価値を提供するための重要なステップである。

この取り組みは、労働集約型の働き方からAI技術を活用した働き方への転換を促進し、労働人口の減少による人手不足や地方の過疎化といった社会問題への対応も視野に入れているものだ。

顧客のビジネス変革を支援するとともに、社会課題の解決にも貢献しようとしているNTTデータの動向には、今後も注目していきたい。