富山県でAI投資詐欺、70代男性が約1500万円の被害

2025年3月6日、富山県において、70代の男性が「AIで自動的に資金を増やすことができる」と主張する投資会社を名乗る女性からの電話により、総額1514万8198円をだまし取られる詐欺事件が発生した。被害者はスマートフォンで見つけた著名人の広告を信じ、個人情報を入力したことが詐欺の発端となった。
この事件は、SNS上の投資詐欺の新たな手口として警戒が必要であることを示している。
AI投資を装った巧妙な詐欺の手口
被害者の男性は、スマートフォンで著名人の広告を目にし、興味を持って表示されたURLにアクセスした。そこに名前と携帯電話番号を入力したところ、投資会社の社員を名乗る女性から電話がかかってきた。
女性は「AIが自動で取引を行い、儲けることができる」と説明し、男性を投資に誘導した。
その後、女性の指示に従い、男性は暗号資産の口座を開設した。
その後、暗号資産の購入や手数料、追加投資、保証金などの名目で、2025年1月31日までの間に複数回にわたり、合計1514万8198円を送金した。
さらに送金を求められたことで不審に思った男性は、弁護士や警察に相談し、詐欺に気付いた。
高齢者を狙うSNS型投資詐欺の増加と対策
AI技術の進化は、金融市場において革新をもたらしている。高度なアルゴリズムを活用した自動取引は、個人投資家にも大きな利益をもたらす可能性がある。
その一方で、詐欺集団がAIという言葉を巧妙に利用し、投資未経験者や高齢者を標的とする犯罪が増加している。特に、高齢者が狙われるケースが多発している。
警察庁の調査によれば、SNS型投資詐欺の被害者は50代・60代が半数を超えている。このような詐欺から身を守るためには、金融リテラシー(※)を高めることが重要である。
基本的な投資知識を身につけることで、不自然な投資話を見分けられるようになるだろう。
たとえば、「必ず儲かる」「元本保証」といった言葉に惑わされないことが大切だ。
また、家族や周囲の人々とのコミュニケーションを密にし、怪しい投資話を受けた場合は、すぐに相談することが推奨される。
さらに、警察庁はSNS型投資詐欺の手口や対策を公開しており、これらの情報を活用することも有効である。
※金融リテラシー:金融に関する知識や判断力、意思決定力のこと。これを高めることで、詐欺などのリスクを回避し、適切な資産運用が可能となる。