2026年10月7日、GMOインターネット株式会社は、東急不動産およびブロードバンドタワーと連携し、北海道石狩市の再エネ100%データセンター内に「GMO GPUクラウド」の新拠点を整備すると発表した。2026年内の稼働開始を目指し、国内のAI開発を強力に支える計算基盤の構築を進める方針である。
石狩の再エネデータセンターとIOWN接続を活用した新拠点開設の全貌
GMOインターネット株式会社は、東急不動産株式会社および株式会社ブロードバンドタワーとの3社連携により、北海道石狩市の「石狩再エネデータセンター第1号」において高性能GPUクラウドの新拠点を整備すると発表した。このプロジェクトは、急増する生成AIの開発需要を支えるためのものであり、2026年内の稼働開始を予定している。
施設の使用電力はすべて、東急不動産が石狩市内で保有する再生可能エネルギー発電所由来の電力で賄われる。これにより、クラウドサービス利用に伴う環境負荷の低減という、事業者と利用者双方の社会的責任を果たす環境が整うことになる。
さらに、NTT東日本が提供する次世代通信基盤「IOWN」のAPN(※1)を用いて、東京・大手町とデータセンター間を光回線で直結させる仕組みを採用している。これにより、首都圏外への立地でありながら大容量かつ低遅延の通信環境が確保され、これまで遠隔地データセンターの課題であった遅延を大きく改善することが可能だ。石狩市が持つ冷涼な気候や豊富な再エネ発電量という地域資源を生かし、最先端の「NVIDIA Blackwell Ultra GPU」などを搭載した高品質なインフラが提供される計画となっている。
※1 IOWNのAPN:ネットワークの端から端までを光化し、大容量・低遅延・低消費電力の通信を提供する次世代通信基盤構想のネットワーク技術。
BCP強化やフィジカルAIへの波及が期待される一方、継続的なインフラ需要への対応が課題
今回の新拠点開設は、企業にとって多くのメリットをもたらす一方で、いくつかの留意すべき点や今後の課題も存在している。
最大のメリットとしては、首都圏に集中しがちなインフラを北海道へ地理的に分散させることによる、災害時の事業継続性(BCP)の大幅な強化が挙げられる。
また、再エネ100%の電力と低遅延なネットワークが両立されている点は、環境配慮と実用性能を求める企業にとって極めて魅力的な選択肢になると言える。今後はオフィスからAIインフラへと連携が広がり、実際の街や施設にAIを実装する「フィジカルAI」などの新たな可能性を切り拓くことも期待されているところだ。
一方で、AIの急速な普及に伴う電力需要のさらなる増大や、地方拠点における通信・用地といったインフラ維持のコスト管理は、中長期的な運用の課題になり得るとみられる。他方で、石狩市が目指すGW級のデータセンター集積地としての発展や地域経済への波及効果も期待されており、日本全体のAI競争力を左右する国産基盤として、今後の動向が注目を集めていく可能性が高い。
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