2026年9月29日、Notion Labs Japanは株式会社マネーフォワードが「Notion」および「Notion AI」を全社基盤として導入したと発表した。約2800名規模で情報集約とAI活用を一体化させる。
マネーフォワードがNotion導入 約3ヶ月で全社展開を完了
マネーフォワードは「No.1バックオフィスAIカンパニー」の実現を目指すなかで、グループ全体の情報・業務基盤の再設計に着手した。従来の環境では社内情報が複数の場所に分散しており、必要な情報の探索や情報の鮮度維持にかかる運用負荷が課題となっていた。AI活用を拡大するうえでも、信頼できる情報源に容易へアクセスできる環境整備が求められていた格好だ。
こうした背景から同社は、情報集約、ナレッジ共有、プロジェクト推進、AI活用を同一プラットフォーム上で実行できるNotionの採用を決断した。日常的に利用するWikiやドキュメントと、Notion AIの横断検索機能やチャット機能が同じ場所にある点が評価された。
約2800名規模での移行にあたってはNotionのプロフェッショナルサービスが伴走支援を行い、2025年10月より移行を開始した。すべての情報を一度に移すのではなく、優先度の高い記事を選定して段階的に移転させる計画的な設計を実施した。その結果、わずか約3ヶ月後の同年12月末には全社員が利用できる基盤としての展開を完了させた。
現在は営業や開発、コーポレートを含む幅広い組織でNotionが利用されている。全社ポータルとしての情報共有をはじめ、部門ごとのナレッジ管理、プロジェクト管理、議事録や各種ドキュメントの集約が進んでいる。
AI基盤の一体化がもたらす効果 問い合わせ削減と今後の波及効果
今回の全社基盤化は、組織全体の生産性向上や非同期コミュニケーションの推進に大きな波及効果をもたらすと期待できる。情報集約とAI活用が同一環境で完結することで、社員が「探す」「進める」「相談する」という一連の業務をスムーズに行えるメリットは極めて大きいと考えられる。特に、頻発する社内問い合わせに対応するヘルプボットの導入は、問い合わせ対応の負荷削減と社員の自己解決促進に直結する公算が大きい。
さらに、情報探索に時間を要する業務や重複タスクに対してカスタムエージェント(※)を適用することで、工数削減の効果を早期に引き出せる可能性がある。各部門の業務特性に応じた成功事例を横展開できれば、業務プロセス全体の自動化が加速するだろう。
一方で、AIが参照するデータの精度向上やセキュリティ、アクセス権限の維持には継続的な管理運用が不可欠となる見通しだ。ガバナンス(※)を厳格に維持しながら活用領域を広げられるかが、投資対効果を高める鍵になると言える。
同社執行役員の工藤裕之氏は、検索性とガバナンスを両立した基盤を育て、社員がより価値の高い業務に集中できる環境をつくると強調する。社内ナレッジの蓄積とAIエージェントの活用が融合することで、知的な働き方の新たなモデルとなる可能性がある。
※カスタムエージェント:特定業務や社内データに最適化され、問い合わせ対応や繰り返しの定型タスク実行を自律的にサポートする高度なAI機能。
※ガバナンス:組織が適切なルールやアクセス権限管理に基づいて、健全かつ安全に業務およびデータを管理・運用する仕組み。
関連記事: