2026年6月15日、TISはアマゾン ウェブ サービス(AWS)と生成AIに関する2年間の戦略的協業契約を締結したと発表した。生成AIの戦略策定から実装、運用定着までを一貫して支援し、安全性と実効性を両立した業務変革を後押しする。日本企業のAI導入のあり方を左右する動きとして注目される。
TISとAWS、生成AI導入から成果創出まで包括支援
TISは今回の協業を通じ、自社のAIブランド「IntegriA」とAWSの生成AI基盤を組み合わせた包括支援体制を構築する。生成AI戦略の策定からシステム実装、導入後の運用定着や効果創出まで伴走し、企業の実効性の高い業務変革を支援する。
背景には、生成AI活用への期待が高まる一方で、情報漏えい対策やガバナンス整備、既存システムとの連携など、多くの企業が実装段階で壁に直面している現状がある。
今回の取り組みでは、「Amazon Bedrock AgentCore」をはじめとするAWSの最新基盤を活用。機密情報を安全に扱うRAGやガードレール機能を備えた生成AI環境を提供し、金融や公共など高い信頼性が求められるミッションクリティカル領域にも対応する。
さらに、AWS公式トレーニング「AWS Skill Builder」を導入し、人材育成も強化する。技術勉強会やハンズオンを継続的に実施し、企業の生成AI活用を支える専門人材の育成体制を拡充していく。
生成AI競争は「導入」から「定着」の時代へ
生成AIの導入だけでなく、業務プロセスへの定着や成果創出まで支援することで、投資対効果を可視化しやすくなる可能性がある。
一方で、生成AI導入にはコスト負担や組織変革への抵抗、人材不足といった課題も残る。高性能な基盤を整備しても、現場の理解や運用体制が伴わなければ、期待した成果につながらないリスクは依然として存在すると考えられる。
今後は「どの生成AIを使うか」だけでなく、「いかに安全かつ継続的に業務へ組み込み、価値を創出できるか」が、企業の生成AI活用を考える上で重要な判断軸になっていくとみられる。TISとAWSの協業は、生成AIの実証にとどまらない活用モデルの一例として、日本企業の導入・定着のあり方に一定の示唆を与える可能性がある。
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